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こんな時は・・・

定期的にご予約いただく認知症のお客様。(A様)

カットは2か月に1度のぺースで、毎回とても楽しみにして下さっています。

普段離れて暮らしているご親族様からのご依頼ですが、髪の長さはいつもご本人様と相談して決めています。

ある日、いつものようにA様のご自宅へ。いつものように笑顔で迎えて下さるA様。ご挨拶を済ませた後は手洗い消毒を済ませカットの準備。鏡と椅子、必要な道具を整えA様に「準備が整いました。こちらへどうぞ」とお声をかけると‥

A様「あら…今日カットするの?でもね…私今日はまだ切らなくても大丈夫よ。だから今日はカットはしないわ。」と仰る。あれ?さっきご挨拶の時いつもと同じ笑顔で迎えて下さったので、カットする気満々だとばかり思ってました‥(^^;

確かに今回はいつもの伸び方と比べると、さほど長さが気にならない‥。

私「じゃあ、少し長さを見させてもらってもいいですか?」と言うと、「あら‥そう‥」と言いながら椅子に腰を掛けるA様。

伸び具合を確認し「確かにいつもほどは伸びてないですが襟足は伸びているので少し整える程度にカットしておきますか?」

A様「そうね‥でも私はまだそんなに気にならないし、どこにかに行くわけでもないし‥今日はいいわ・・何だか悪いけど‥カットはしなくていいわ」

元々穏やかな性格でおっとりと物腰の柔らかいA様。私への対応もいつも穏やかです。

この穏やかなA様の言葉に、その日は普段感じないとてもしっかりとした「意志」を感じ取ったのです。

こういう時は、健康面・衛生面に影響を及ぼす場合や、近々結婚式に参列されるなど、どうしてもその日にカットしなければならない場合以外は、基本、私はご本人様の気持ちを尊重したいので無理強いはしません。

私はカットされるご本人が [カットして良かったぁ~] と心から感じて下さることがとても大切だと思っています。またそうすることで次回もカットを楽しみにして頂けると考えています。

だからその日もご親族様に事情を説明し、しばらくの間お話だけしてお宅を後にしました。

出かける事も誰かと会う機会も少なくなってくるご高齢のお客様にとって髪をカットする事は、私が当初思っていた以上にQOLの向上につながっている!と感じています。この訪問美容のお仕事を通して沢山のお客様と関わり、お客様がそのことを私にに気づかせてくださったのだと思います。

このA様のように施術の直前でカットを拒まれるお客様は時々いらっしゃいます。

これは認知症のお客様にはよくあることなので、私はこんな時はお客様の髪を見させていただきながらゆっくりお話をして気持ちの確認をしています。

今日はただ単にカットする気分じゃないのか?

それとも今、特に長さが気にならないのか?

もしくは今の長さが お好きなのか?‥お客様によって理由は様々。気分を損ねてしまわないようにゆっくりと丁寧に気持の確認をします。

そうすると大抵、「今日は切らない」とおっしゃった理由がわかります。

現在のこの私の対応は正しのか?時々振り返って考えることもありますし、もしかしたら同業の美容師さんやご親族の方々の中で賛否両論意見はあると思います。

ですが、今まで訪問美容の仕事に携わってきた中で、今はこの対応がベストだと信じて活動しています。

美容師としてサロンワークでは絶対に体験しない状況‥それが訪問美容師には沢山あります。こんな時は‥という場面は他にもまだまだいろいろあります。

またこれからも時々、「こんな時は‥」のお話をブログに綴っていけたらと思います(*^^*)